記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される
家事をする合間にも、自分の左手の薬指に光る指輪が目に入るたびに、心が強くなれるような、何とも言えない感情に思わず頬が緩みそうになる。
体調は安定していて、つわりもすっかりなくなった。
眠気も最近は落ち着いている。
お腹が大きくなるたびに少しつかれやすくはなっているものの、紫苑の手厚いサポートがあって折り返しを過ぎている妊娠期間を楽しむ余裕ができてきていた。
前は見るたびに心がざわざわとなっていたウェディング写真も、今は毎日ほこりがつかないように掃除しながら、緩んだ頬で眺めている。
こんなにも短期間にいろいろな感情が溢れることがあるのだと知らなかった。
悲しい思いや苦しい思いから抜け出すことができないのではないかと不安だった私には今の、全く変わった幸せな感情に包まれた日常の想像すらできなかった。
今の私がいるのは、紫苑のおかげだ。
体調は安定していて、つわりもすっかりなくなった。
眠気も最近は落ち着いている。
お腹が大きくなるたびに少しつかれやすくはなっているものの、紫苑の手厚いサポートがあって折り返しを過ぎている妊娠期間を楽しむ余裕ができてきていた。
前は見るたびに心がざわざわとなっていたウェディング写真も、今は毎日ほこりがつかないように掃除しながら、緩んだ頬で眺めている。
こんなにも短期間にいろいろな感情が溢れることがあるのだと知らなかった。
悲しい思いや苦しい思いから抜け出すことができないのではないかと不安だった私には今の、全く変わった幸せな感情に包まれた日常の想像すらできなかった。
今の私がいるのは、紫苑のおかげだ。