記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される
『愛してる。』
いつも言葉にしてくれる紫苑。
私もソファで一人顔を隠しながら「私も」と照れる。

まだ、私には”愛してる”は恥ずかしすぎてなかなか言えない。

『ははっ。今、自分の顔隠して照れてるだろー。耳真っ赤にしながら』
図星だ。
「じゃあね。」
『じゃあ。』
離れていても私のことをよくわかっている彼に更に照れながら、私は電話を切った。

こんなに幸せな気持ちになっていいのだろうか。

電話を切ってから、そっとお腹に触れると赤ちゃんが元気に動いている。

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