記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される
「俺も。愛してる。」
彼に抱きしめられながら、目を閉じる。

何度も何度も、もう忘れないように思いだす。

紫苑との時間を。

幸せな時間を。

「きっと今も、いつか過去になって思いだすんだろうな。」
「うん」
「桐乃と出会ってから、幸せじゃない時なんて一度もなかった。」
「私も・・たとえ記憶を失っていても、いつだって幸せだった。紫苑のおかげ。」
素直な気持ちをお互いに言葉にする。

大好きな人のぬくもりに包まれながら、私たちはツリーのライトを見つめる。
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