記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される
「未来も楽しみしかないな。」
「うん」
「まずはクリスマスだな。」
「そうだね」
ふたりで迎える初めてのクリスマスだ。

「来年はもう一人増えて、きっとにぎやかだな。」
「そうだね。」
「楽しみだなー。人生初めてのサンタからのプレゼントとか。コスプレさせるか。」
「サンタ?」
「トナカイだろー。ツリーでもいいけど。」
「紫苑は?」
「俺はサンタ。」
ツリーのライトに照らされているからだけじゃなく、彼の表情は輝いている。

「とにかく、楽しみが多すぎて、待ちきれない。」
「私も。」
抱きしめあいながら私たちは未来への話が尽きない。
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