記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される
私が紫苑に送ったのは、出会った時から今日までのアルバムだ。

写真だけじゃなく赤ちゃんのエコー写真も、紫苑とデートした街並みもアルバムに入れた。

「これを作ってるときはまだ記憶がなかったから、事故の後しかコメントがかけてないんだけど。」
アルバムには覚えたての英語でコメントを書いてる。
でも、記憶のない時の写真にはコメントはできなくてかわいらしいシールを貼ってごまかしていた。

「ここにかけるな。これから。」
「うん」
「俺にも書かせて。」
「うん」
「まだまだページあるし。」

アルバムにはまだ残りのページがたくさんある。

「これからいっぱい写真、入れような。」
「うん」
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