記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される
「・・・ふん・・・」
後部座席から声がしてルームミラー越しに様子をみると、チャイルドシートから声が聞こえて、ぐずりはじめていた。

俺はすぐに車を停めて、後部座席の扉を開ける。
チャイルドシートから最愛の我が子を抱き上げて、寒くないようにブランケットにくるみ車の外であやす。

ぐずっていても何をしていてもかわいすぎる・・・。

「もう少しでつくぞ?どうした?おむつかな?それともお腹すいたか?疲れちゃった?」
赤ちゃんを連れての長旅は結構疲れる。
運転をする俺を気遣って飛行機の中では桐乃が一睡もせずに相手をしてくれていたおかげで俺はよく眠れた。

「もう少しママを眠らせてあげような。」
出産をしてからも俺は仕事を休めず、むしろ忙しくて桐乃に子育ても家事も任せきりにしてしまっていた。
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