記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される
「もう少しでつく?」
「あぁ。あと30分くらいかな。大丈夫?」
「うん。」
後部座席で綾乃に母乳を挙げている桐乃。
俺にその役は代われない。

「綾乃は?」
「うーん・・・もうすぐ眠りそう。」
「そっか。そしたら桐乃も少し休んで。」
「ありがとう」

ルームミラー越しなのに、相変わらず俺の妻はかわいい・・。
こんなおっさんが気持ち悪いだろうな・・・桐乃が俺の心のうちを知ったら、嫌われるかもな。

そんなことを思っていると、桐乃は俺の方を見て笑う。

「何となく。今思ってることわかっちゃった。」
「え?」
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