記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される
「大丈夫?」
「・・・うん・・・」
私はずーんと頭が重くなる感覚を覚えて目を閉じた。

紫苑はためらうことなく私のベッドに入り、私の体を抱きしめる。

「おやすみ。愛してる。」
ぬくもりを感じながら夢の世界に吸い込まれる。


このまま記憶が戻らないことに感じていた恐怖が、少しだけ薄れる。

でも、目が覚めたら記憶が戻っていたらいいのに・・・と願う気持ちはなくならない。

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