一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
 そうじゃなかったら、私はリセに憧れることもなく、出会う機会もなかったはずだ。

「リセはモデルでも会社員でも、活躍していてすごいんですね」
「なんだ。突然、他人行儀になって」

 笑ってるリセから目をそらし、うつむいた。
 リセはモデルだけでなく、スーツ姿のリセも人の目を集めるくらいかっこいい。
 すごく目立っていて、特に女の人から見られている。
 ホテルのロビーから、地下駐車場のエレベーターに乗り換えて地下へ向かう。
 たったそれだけの短い時間で、何人の女の人の視線を奪ったのか……
 リセは慣れているのか、それとも気づいていないのかまったく気にしていない。

「それにしても厄介な男とお見合いしたな。あいつはなかなか厄介な男だぞ」
「そうですよね……」

 リセを巻き込んでしまった。
 私が思っていたより、啓雅さんは策士だった。

 ――まさか、契約書まで用意して、逆らえないようにするとは思わなかった。

 金額までしっかり書いてあり、その額は三千万円。
 私のお給料で、すぐに返しきれないような金額だ。
 そこまでの金額になるまで、待っていたのかもしれない。
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