一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
 ――私にとって、リセは特別な人だってわかってほしい。
 
「リセ。このデザイン画を見て。これは全部、リセを思って描いたの」
「俺を?」
「パリの時もそう。ランウェイを歩くリセに一目惚れをして、たくさんデザイン画を描いた。昨日もリセを見て、我慢できなくて、たくさん描いてしまって……」

 パリで描いたデザインには日付とエッフェル塔にかかっていた月と同じ三日月のマークがある。
 それから、昨日のデザイン画も。

「モデル姿のリセとスーツ姿のリセは全然違うけど、私は同じ人に二度、一目惚れしたの。どっちのリセも魅力的だから!」

 力説してしまった。
 私がどれだけリセのことが好きか、憧れているか、伝わっただろうか。
 リセを見ると、優しい表情で微笑んでいた。
 そんな顔をされたら、また私はリセを好きになってしまう。

「それならいい」

 屈託ない笑顔に私も微笑んだ。

「お互いの気持ちがわかって、よかったと言いたいところだが、のんびりしている暇はなさそうだ。琉永の引っ越しを急ごう」
「引っ越し?」
「ああ。乾井(いぬい)の性格を考えたら、琉永の弱みがなくなったと気づいたら、焦り出す」
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