一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
「素材のいいものを使いたいのは、どこも同じだ。だが、それで客を失うようなら、本末転倒。服は人が着てこそ価値がある」
――たしかに最近は新作の売れ行きが鈍い。セールを待って買うお客様が増えてる。
以前なら、セール品と一緒に新作を買われたお客様も手に取り、悩んでいた。
あれは、デザインが悪いとかではなく、気に入っても高くて買えなかったということだったのだ。
「それじゃあ、麻王専務なら、この『Fill』をどう成長させていくつもりか聞かせてもらおうか」
「戦略をすべて話せない。ただ、この『Fill』を世界的な有名なブランドにのし上げようと思っている」
「世界って……リセ……」
驚く私を見て、リセは優しく微笑んだ。
「琉永に嫌われたくないからな」
「それって、琉永ちゃんがいなかったら、潰れるのを見届けていたってこと!?」
「そうだ」
テーブルの上にあったデザイン画で、紙飛行機を折ると、リセはそれを飛ばした。
「学生時代は天才と呼ばれたデザイナーとパタンナー。だが、経営は別だ」
紡生さんの足元に、紙飛行機が滑るように墜ちた。
――たしかに最近は新作の売れ行きが鈍い。セールを待って買うお客様が増えてる。
以前なら、セール品と一緒に新作を買われたお客様も手に取り、悩んでいた。
あれは、デザインが悪いとかではなく、気に入っても高くて買えなかったということだったのだ。
「それじゃあ、麻王専務なら、この『Fill』をどう成長させていくつもりか聞かせてもらおうか」
「戦略をすべて話せない。ただ、この『Fill』を世界的な有名なブランドにのし上げようと思っている」
「世界って……リセ……」
驚く私を見て、リセは優しく微笑んだ。
「琉永に嫌われたくないからな」
「それって、琉永ちゃんがいなかったら、潰れるのを見届けていたってこと!?」
「そうだ」
テーブルの上にあったデザイン画で、紙飛行機を折ると、リセはそれを飛ばした。
「学生時代は天才と呼ばれたデザイナーとパタンナー。だが、経営は別だ」
紡生さんの足元に、紙飛行機が滑るように墜ちた。