一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
「恩未。『Lorelei(ローレライ)』を一気に有名にしたのはこの男だよ。麻王悠世がインタビューで言っていたんだ。プロデュースは自分だけど、経営は弟だって」
「そういえば……」

 リセは自分のことを知っていたのが、嬉しかったのか、にこりと微笑んだ。

「学生の頃から、父の仕事を手伝っていた。悠世は才能があったし、俺にはやりたいことがなかった。だから、俺が後を継ぐことにしたというだけの話だ。『Lorelei(ローレライ)』は経営の勉強のために手掛けた」

 ――勉強で?

 しんっと静まり返った。

「『Lorelei(ローレライ)』のパタンナーを一人寄越す。パタンナーたちは『Lorelei(ローレライ)』のパタンナーから、服のシルエットの美しさを学んでほしい」
「シルエット?」

 リセはライトをつけ、影絵を作った。
 影だけなのに、リセだとわかるのは、スタイルと姿勢の良さ――そして、着ている服の形が体に合っていて、美しいからだ。

「カジュアルな服だが、形が美しければ、ハイブランドと並んでも恥ずかしくない」
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