一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
「琉永ちゃんは『Fill(フィル)』の末っ子的存在なんだからね!」
「そうそう! もう水臭いわね。悩んでたなら、ちゃんと相談しなさいよ!」

 みんなの優しさに、思わず泣きそうになった。
 私は声に出して、啓雅さんにはっきり言った。

「借金はすべて父の借金です。ですから、父に請求してください。私は無関係です」

 きっぱりと言うと、啓雅さんが私をにらみつけた。

「冷たい娘だな」

 冷たいって、私が?
 父と継母が、私にやったことは本来なら、許されることじゃない。
 お金が欲しくて私を啓雅さんに売り飛ばしたのに。
 親らしいことなんて、なに一つしてくれなかった――それでも私は助けるべきなの?
 啓雅さんは私を軽蔑した目で見ていた。
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