一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
 廊下には絵画が飾られ、玄関ロビーには彫刻が置かれているのを横目に、ひきつった笑いを浮かべた。

「そ、そうね。勉強になるわ」
「荷物の片付けを手伝おうか?」
「そんなにないから大丈夫。理世は忙しいでしょ?」
「まあ、そうだな。明日から、家事代行サービスを頼んである。キッチンに食料は、それなりに揃えてもらってあるから、好きなものを食べてくれ」
「家事代行サービス……」

 私は作り笑いを浮かべた。

「どうかしたか?」
「ううん。気遣ってもらって申し訳ないくらい……」

 もちろん、私は家事代行サービスを使ったことがない。
 書斎に入っていく理世は、やっぱり忙しそうで、邪魔しないでおこうと思った。

「……昨日までアパート暮らしだったのに、まるで魔法みたい」

 荷物を片付けながら、そんなことを思った。
 私のアトリエだという部屋は、大きな窓が曲線を描き、庭の風景を楽しめるようになっている。
 高い天井には、ステンドグラスの小さな小窓があり、そこから日差しが入ると、床が飴色に染まる。
 アトリエから庭へ出ることも可能だ。

「見惚れてないで、荷物を片付けないと」
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