一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
 理世はボツのデザイン画を並べ、その横に今までのショーで使った『Lorelei(ローレライ)』のデザイン画を置く。

 ――目を引くような華がない。

 全員、同じ気持ちになったようで、それを見て唸った。
 私達はショーを意識するデザインを描くように理世から言われ、何枚も描いたけれど、『Lorelei(ローレライ)』に負けてしまっている。

「『Lorelei(ローレライ)』と同じショーに参加するって、わかってるよな?」

 厳しい理世の言葉だけど、今のままでは、差がついてしまう。
 同じ麻王グループのアパレル部門であり、『Fill(フィル)』がどんなものを出してくるか、悠世(ゆうせい)さんだって、期待しているはずだ。

「できがよければ、春夏のショーに数点ねじこむつもりでいたが、今のままだと出せない」

 黙り込んだ紡生さんと恩未さんに、理世は不思議そうな顔をした。

「ん? どうかしたか? もっと自信持てよ。前はもっと不遜で生意気な態度だっただろ?」

 理世の言葉に、紡生さんと恩未さんは強く反発してきた。

「私たちをこき下ろしておいて、よく言うわ!」
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