一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
「うん。ついでに店舗を回ってきて」
「はあ……そうさせてもらいます……」

 理世のイメージって、『Fill(フィル)』のメンバーから見たら、どんなイメージなのか、不安になってきた。
 そのあたり、詳しく追及したかったけど、理世のことが気になり、事務所を出て、会場へ向かった。

「おかしいと思っていたのよね……」

 今日の朝、理世はいつもより早く出て、麻王の本邸に行った。
 私のことで、両親から、いろいろ聞かれたに違いないと思っている。

 ――やっぱり、きちんと挨拶に行かなきゃ。

 ショーが終わってからでいいって、理世は言っていたから、後回しになってしまっていた。

 ――そんなわけにはいかないわ。私が理世をどれくらい好きで、必要なのか、ちゃんとわかってもらいたい。

 理世が送った住所まで、急いで行くと、会場はホテルで、私が着いた頃には、すでに大勢の人だかりができていた。

 ――こんなに人がいたら埋もれて、私がいても、どこにいるかわからないわ。

 しかも、週刊誌を見ている人たちのはずなのに、私が理世の妻だと誰も気づかない。

 ――平凡でよかったような悪かったような。
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