一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
 理由までわからないけど、悠世さんにとって、ローレライは自分のデザイナー人生を彼女のために捧げていいと思うほどの相手だ。

 ――私にとってのリセ。それが、悠世さんのローレライ。

「申し出ていただいて、ありがとうございます。でも、サイズが合わないと思います……」

 モデルにしては、小柄なローレライに、私の服は大きすぎた。
 メンズサイズにするつもりはなかったのに、無意識にリセをイメージしていたらしく、気がつくと大きめになっていた。
 パタンナーとも相談したのに、私の頭は、リセが一番美しく、最高の存在であるかのように、そちらへ流れていってしまっていたのだった。
 裾を詰めても、きっと服が映えない。

 ――今から頼んでも、どうにもならない。

 そう思っていると、通路が騒がしくなった。

「理世!」

 仕事中だったのか、スーツ姿の理世が現れた。
 急いで来てくれたのか、いつもはきちんとしている髪がわずかに乱れていた。
 その後ろからは恩未さんが、追いかけてくる。
 理世を呼んできてくれたのだとわかった。

「琉永。服を合わせるぞ」
「理世が着てくれるの!?」
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