一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
 チケットを渡し、慌てて席に着いた。
 のんびりしていたつもりはなかったけど、思った以上にゆっくり歩きすぎて、遅くなってしまったようだ。
 私の席は前の方で、紡生さんが行きたかったと、拗ねたくなるのもわかる。

「間に合ってよかった……」

 ほっと一息つくと、私の耳に日本語が飛び込んできた。

「『Lorelei(ローレライ)』は専属モデルを使うからな」
「服も最高だが、モデルも最高だ」

 日本語が聞こえたほうを見ると、私の前に座るマスコミ関係者らしき男の人たちが小声で話していた。

「モデルのローレライのために作られたブランドでもある。『Lorelei(ローレライ)』は彼女しか使わない。けれど、それが売りでもある。まあ、その戦略に間違いなかったようだが」
「最近はモデルのリセもいるが、やはりローレライか」
「メインはローレライらしい。リセは専属契約を結んでない」

Lorelei(ローレライ)』は謎の美少女をイメージモデルとして使っている。
 そして、例外としてリセを絡ませることもあるけど、その数は多くない。
< 37 / 260 >

この作品をシェア

pagetop