一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
 ローレライという美少女が、ブランド『Lorelei(ローレライ)』の顔である。

 ――正体不明の美少女ローレライ。そのローレライと並んでも見劣りしないリセもすごいのよね。

 会場の照明の明度が落ち、ショーが始まる、
 秋冬の最先端デザインを目にした私は言葉を失った。
 キラキラしていて、新しい素材、デザインがどんどん出てくる。
 その中でも目を引くのはやっぱり『Lorelei(ローレライ)』だった。
 冬の泉を思わせる妖精のようなふわりとした白のファーをあしらったワンピースとロングブーツ。

 ――ローレライって人間じゃなくて、妖精みたい。

 温度のない白い顔、カラーコンタクトで色を変えた瞳。
 発表する服のイメージによって、ローレライはメイクも瞳の色も髪も変える。

 ――変えるけど、それでもローレライは残る。それくらい彼女は服に着られていない。服を着ている。

 彼女の軽やかな足運びで、空間にふわりと浮いたファーを見るだけで、なにを表現したのかわかった。
 
 ――雪が舞っている。

 ファッションショーなのに、服以上のものを伝えてくる。

「すごい……」
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