一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
Lorelei(ローレライ)』が次に出してきたのは炎のような赤。
 モデルのローレライとは真逆のモデル。

「リセだ」
「なるほど。リセを使ったか」

 両者の対比は強いインパクトがあった。
 リセは身長が高く、赤い炎のようなドレスを身にまとい中性的な女性である。
 髪をあげ、目は鋭く、挑発するように観客席を見る。
 笑顔のない彫刻のような顔は冷たく見えても、実際の彼女は違う。
 炎のような激しい気性を隠していると、服が教えてくれる。

 ――ローレライじゃなくても、『Lorelei(ローレライ)』が似合ってる。リセが強くて綺麗だから。

 憧れのリセが、私の前を通り過ぎた後も、赤い炎が目に焼きついていて、私に強い印象を残す。
 私だけでなく、それは他の人も同じだったらしい。

「さすがリセだ」
「最初に彼女を起用したのは、『Lorelei(ローレライ)』のデザイナーらしい」
「周囲に美しいものが自然に集まるタイプか。なんともうらやましい話だ」
「リセは有名ブランドからも声がかかってるそうだが、簡単に引き受けてくれないそうだ」

 ――リセにはなにか理由か、信念があるのかも。
< 39 / 260 >

この作品をシェア

pagetop