一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
 アッシュブラックのふんわりしたショートボブ、前髪を分けたエアリーな髪型がよく似合ってる。

 ――リセなら、なんだって似合うんだけど!
 
 ちらりと目に入った男物の腕時計はごつめだけど、かっこいい。

 ――もしかして、彼氏とおそろいなのかな?

 彼氏もかなり素敵な人に決まってる。

「それ、デザイン画?」
「はい。まだ駆け出しですが、デザイナーなんです」

 このデザイン画は、リセをイメージにしましたなんて、本人を目の前にして言うのは、自信もなく、図々しい気がして、言えなかった。

「えつと、これはリセみたいな中性的な女性をイメージしました」

 そう言って、誤魔化しておいた。

「女性ね……」

 リセが苦笑するのを見て、悪いことを言ってしまったうような気がした。

 ――もしかして、性別をあまり言われたくない人?

 配慮が足りなかったかもしれない。

「君は表面だけじゃなく、中身をもっと見たほうがいいね」
「中身ですか!?」
「そう。悪い男に騙されないように」

 リセにご教授いただいて、素直にこくこくとうなずいた。
 今後の参考にしよう。
 そうしよう。
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