一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
 ――リセは炎みたい。熱くて、眩しくて、近寄ったら魂を焼かれてしまう。

 そして、魂に焼きついたリセを簡単に忘れられなくなるのだ。

「おい、琉永。大丈夫か?」

 舌を絡めたキスに、ぐったりしている私に気づき、リセは気遣ってくれた。
 
 ――私が恋愛経験が少ない初心者だって、バレてしまう!

「だ、大丈夫です」

 強がってそんなことを言ったけど、頭がくらくらして、あんまり大丈夫じゃない。
 これが、大人のキスなんだと初めて知った。
 
「私からキスします」
「琉永から? いいけど」

 ここで、私もちゃんとキスができる大人の女性であるところを見せておきたい。
 リセに顔を近づけたけど、その顔があまりに綺麗で、しばらく見惚れてしまった。

「待たせすぎ」
「ご、ごめんなさい!」
 
 顎をつかまれ、リセがキスをする。
 角度を変え、何度も繰り返されるキスに、頭がぼうっとなる。
 大きな手のひらが体じゅうをなでていく。
 まるで、大切な物の形を確認するみたいに。

「琉永は小さくて柔らかくて可愛いな」
「私って、小動物的な可愛さですか?」
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