一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
「お子様には、この続きはまだ早い」

 大きく息を吸い込み、くたりとベッドに沈んだ私を眺めて、リセは余裕の笑みを浮かべている、

「がっかりした顔をするな。続きをしたくなるだろ?」

 私の頭をなで、体を離す。
 リセは冗談なのか、本気なのかわからないことを言った。

「これで、終わりじゃない。俺はお前の婚約者なんだろ?」
「でもあれは、冗談で……んっ!」

 リセが私の唇を指でなぞり、黙らせる。
 さっきまでキスをされていた唇に、その指は反則で、体がびくりと跳ねた。
 指一本で翻弄されてしまう。

「お前が、俺を婚約者に選んだんだからな。後悔するなよ?」

 ――本気?

 そう言いたかったのに、私はこの夢の続きを期待して、なにも言えなかった。

 ――私はこの夢の続きを見たい。あなたと。

 私を抱き締め、眠るまで背中をなでてくれる手は優しく、幸せで涙が止まらなかった。
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