一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
スーツ姿に、リセは本当に男の人だったんだなと思っていた。
憧れのモデル、リセの本業はモデルではないらしい。
魔法が解けたシンデレラみたいな気分だった。
「朝食は頼んでおいた」
開け放った大きな窓の先は、テラスになっていて、テーブルとチェアが置かれ、朝食がセッティングされていた。
オレンジジュースやクロワッサン、ブイヨンスープ、トリュフ入りオムレツなどが並べられている。
――ただし、一人分。
豪華な部屋も朝食も、色あせて見えた。
夢はここで終わりだと思ったら、私は――リセは私の頭にぽんっと手をおいた。
「なんだ。元気ないな」
「えっ!? い、いえ、そんなことないです」
一晩、一緒に過ごせただけで奇跡なのに、これで別れるのかと思ったら、寂しいなんて……
そんなふうに思う自分が、図々しく思えて嫌だった。
スーツを着たリセは、明るい笑顔も猫のような自由さも今はなく、別人。
自信に満ちていて、どこか冷たく見えるのに、目を逸らせない。
昨晩、知ってしまった彼の手と香りが、同じリセのものだとわかるから。
「リセ……」
憧れのモデル、リセの本業はモデルではないらしい。
魔法が解けたシンデレラみたいな気分だった。
「朝食は頼んでおいた」
開け放った大きな窓の先は、テラスになっていて、テーブルとチェアが置かれ、朝食がセッティングされていた。
オレンジジュースやクロワッサン、ブイヨンスープ、トリュフ入りオムレツなどが並べられている。
――ただし、一人分。
豪華な部屋も朝食も、色あせて見えた。
夢はここで終わりだと思ったら、私は――リセは私の頭にぽんっと手をおいた。
「なんだ。元気ないな」
「えっ!? い、いえ、そんなことないです」
一晩、一緒に過ごせただけで奇跡なのに、これで別れるのかと思ったら、寂しいなんて……
そんなふうに思う自分が、図々しく思えて嫌だった。
スーツを着たリセは、明るい笑顔も猫のような自由さも今はなく、別人。
自信に満ちていて、どこか冷たく見えるのに、目を逸らせない。
昨晩、知ってしまった彼の手と香りが、同じリセのものだとわかるから。
「リセ……」