政略結婚かと思ったら溺愛婚でした。
「何に対してのごめんなさい? 今の失礼な態度? それとも、よもやと思って店を探させたら、男を侍らせていた件?」
つい語気が荒くなってしまったのだ。
先だってから、……いや、片倉から結婚の話を聞いた時から槙野には不満のようなものや鬱屈したものが少しずつ振り積もっていたこともある。
つい、槙野は浅緋に自分の立場が分かっているのか?と責めるような声を出してしまった。
あんなに、片倉には怒るな、と言われていたけれど。
けれど、浅緋はそんな槙野に戸惑った様子ばかりを見せるのだ。
「立場って……」
「どれほど守られているのか、分かっているのかってことだよ」
「えっ?」
「園村前社長はああいう輩にあなたを触れさせないよう、近付けないよう、自分の側に置いてた。片倉もあなたの仕事をしたいという意見を尊重して俺の側に置いた。俺は片倉の信用を裏切ることは出来ないからな」
知らずに済ませていい事とはとても思えない。
園村の娘であることも、片倉の婚約者であることももっと自覚してほしい。
「俺はあなたが人見知りすると聞いていたから、あまり近づかないようにしていたんだ。」
つい語気が荒くなってしまったのだ。
先だってから、……いや、片倉から結婚の話を聞いた時から槙野には不満のようなものや鬱屈したものが少しずつ振り積もっていたこともある。
つい、槙野は浅緋に自分の立場が分かっているのか?と責めるような声を出してしまった。
あんなに、片倉には怒るな、と言われていたけれど。
けれど、浅緋はそんな槙野に戸惑った様子ばかりを見せるのだ。
「立場って……」
「どれほど守られているのか、分かっているのかってことだよ」
「えっ?」
「園村前社長はああいう輩にあなたを触れさせないよう、近付けないよう、自分の側に置いてた。片倉もあなたの仕事をしたいという意見を尊重して俺の側に置いた。俺は片倉の信用を裏切ることは出来ないからな」
知らずに済ませていい事とはとても思えない。
園村の娘であることも、片倉の婚約者であることももっと自覚してほしい。
「俺はあなたが人見知りすると聞いていたから、あまり近づかないようにしていたんだ。」