政略結婚かと思ったら溺愛婚でした。
「がっかりさせてしまった、とか」
「あんたは何を心配しているんだ? 嫌われたらどうしよう、とか、怒っているかも、とかがっかりさせたかもとか、それ、俺に話してどうにかなるのか?」
「……っ、ごめんなさい」
「相談されたくないわけじゃない。なんでも話していいよ。でも、あんたはもうちょっといろんなことを見た方がいい。みんな、あんたのことを大事に思ってる。まあ、不本意ではあるけど俺もな。思い切っていろいろ動いてみろ。もう、お前にあれはダメだ、これはダメだという父親はいないんじゃないか?」
槙野はいつもと同じように腕を組んで、淡々と話している。
けれど、浅緋にしてみたらまるで目の前が開けたような気持ちになったのだ。
──あれはダメだ、これはダメだと言われない?
今まではそうされることが当然なのだと思っていた。
けれど、そうではない、と初めて知ったのだ。
「あんたは、なんでもやりたいことをやっていいんだ。それに、片倉はそれに応えるだけの度量はある男だぞ」
「なんでも……?」
「なんでも、だ」
──じゃあ、片倉さんに大好きなんですって、とても好きなんですって言ってもいいの?
「あんたは何を心配しているんだ? 嫌われたらどうしよう、とか、怒っているかも、とかがっかりさせたかもとか、それ、俺に話してどうにかなるのか?」
「……っ、ごめんなさい」
「相談されたくないわけじゃない。なんでも話していいよ。でも、あんたはもうちょっといろんなことを見た方がいい。みんな、あんたのことを大事に思ってる。まあ、不本意ではあるけど俺もな。思い切っていろいろ動いてみろ。もう、お前にあれはダメだ、これはダメだという父親はいないんじゃないか?」
槙野はいつもと同じように腕を組んで、淡々と話している。
けれど、浅緋にしてみたらまるで目の前が開けたような気持ちになったのだ。
──あれはダメだ、これはダメだと言われない?
今まではそうされることが当然なのだと思っていた。
けれど、そうではない、と初めて知ったのだ。
「あんたは、なんでもやりたいことをやっていいんだ。それに、片倉はそれに応えるだけの度量はある男だぞ」
「なんでも……?」
「なんでも、だ」
──じゃあ、片倉さんに大好きなんですって、とても好きなんですって言ってもいいの?