政略結婚かと思ったら溺愛婚でした。
浅緋はそう思ったのだ。

 困った時は困っている、と言うと助けてくれる人が回りにいると知った。
 槙野や、池田や、そしてもちろん片倉も。

 けど、浅緋が大事に大切にしたいのは片倉なのだ。
 片倉だけが、浅緋にとって特別なのだ。

 浅緋は片倉の背に手を回して、ぎゅっと抱きついた。

 桜の木が2人を見守ってくれているように、浅緋には感じた。
< 172 / 263 >

この作品をシェア

pagetop