政略結婚かと思ったら溺愛婚でした。
13.二人の休日
「桜華会?」
「はい。毎年準備は今の時期にするんです」
それは園村家のあの広い庭を解放して行う、大規模な『お花見』のようなものなのだと言う。
桜の時期に園村が気のおけない友人を招いて、飲食をする会だった。
浅緋はそのように片倉に説明したのだ。
園村家の庭には、あの一番大きな桜の木の他にも小振りな桜がたくさん植えてある。
もちろん桜だけではない庭は、季節ごとに目を楽しませてくれると聞いたことはあるけれど。
「今まで父が主催していたので、今年はやめようかと話していたんです」
「どんな方がみえるの?」
「そうですね、主に父の友人です。今年はやらないのか? とお問合せいただいて、どうしましょうかって母と言っているのですけれど」
「やるなら手伝うよ」
「そうですねぇ……」
悩まし気に首を傾げる浅緋の頬を、片倉が指で撫でる。
その浅緋がいるのは片倉の膝の上なのだ。
先日、改めてお互いの想いを伝えあった2人は改めて婚約することを2人で決めた。
表向きには何も変わらないけれど、2人の中ではそれは大きな進歩だ。
「はい。毎年準備は今の時期にするんです」
それは園村家のあの広い庭を解放して行う、大規模な『お花見』のようなものなのだと言う。
桜の時期に園村が気のおけない友人を招いて、飲食をする会だった。
浅緋はそのように片倉に説明したのだ。
園村家の庭には、あの一番大きな桜の木の他にも小振りな桜がたくさん植えてある。
もちろん桜だけではない庭は、季節ごとに目を楽しませてくれると聞いたことはあるけれど。
「今まで父が主催していたので、今年はやめようかと話していたんです」
「どんな方がみえるの?」
「そうですね、主に父の友人です。今年はやらないのか? とお問合せいただいて、どうしましょうかって母と言っているのですけれど」
「やるなら手伝うよ」
「そうですねぇ……」
悩まし気に首を傾げる浅緋の頬を、片倉が指で撫でる。
その浅緋がいるのは片倉の膝の上なのだ。
先日、改めてお互いの想いを伝えあった2人は改めて婚約することを2人で決めた。
表向きには何も変わらないけれど、2人の中ではそれは大きな進歩だ。