政略結婚かと思ったら溺愛婚でした。
そう言って、片倉は幸せそうに笑ってそっと浅緋の頬を指で辿る。
──そうでしょうか?
まるで平日の夜は触れていないかのようなことを言っているが、そんなことはないと浅緋は思う。
確かに帰りの遅い夜、片倉は自分のことは待たなくていいよ、むしろ待たないで。と言われているので、先に休ませてもらっている浅緋なのだが、最近は朝起きると抱き枕のようにきゅうっと抱き込まれていることがある。
「ん……起こした?」
そんな風に耳元で囁かれたり、
「浅緋、まだ早いよ」
と抱きしめ直されたりしてしまうのは、その……すごく、すごーくドキドキしてしまうんですけれども!
まだ早いと言われても二度寝することなんて、出来ない。
ドキドキと早鐘をうつ自分の鼓動を感じて、じっとしていることしか出来ないのだ。
それだって、パジャマ越しの片倉の肌の暖かさとか、しっかりした腕とか感じてしまって。
最近はその片倉の行動に、ドキドキというか、胸がきゅんとしてしまって、戸惑うばかりの浅緋なのである。
それはあの時の、あの深いキスをした時から感じる感覚と同じなのだけれど。
──そうでしょうか?
まるで平日の夜は触れていないかのようなことを言っているが、そんなことはないと浅緋は思う。
確かに帰りの遅い夜、片倉は自分のことは待たなくていいよ、むしろ待たないで。と言われているので、先に休ませてもらっている浅緋なのだが、最近は朝起きると抱き枕のようにきゅうっと抱き込まれていることがある。
「ん……起こした?」
そんな風に耳元で囁かれたり、
「浅緋、まだ早いよ」
と抱きしめ直されたりしてしまうのは、その……すごく、すごーくドキドキしてしまうんですけれども!
まだ早いと言われても二度寝することなんて、出来ない。
ドキドキと早鐘をうつ自分の鼓動を感じて、じっとしていることしか出来ないのだ。
それだって、パジャマ越しの片倉の肌の暖かさとか、しっかりした腕とか感じてしまって。
最近はその片倉の行動に、ドキドキというか、胸がきゅんとしてしまって、戸惑うばかりの浅緋なのである。
それはあの時の、あの深いキスをした時から感じる感覚と同じなのだけれど。