政略結婚かと思ったら溺愛婚でした。
重い本を片倉は持ってくれて、浅緋は申し訳ないような、嬉しい気持ちになった。
雑貨屋の店頭では可愛らしい加湿器がたくさん並んでいる。
片倉の家にはスタイリッシュで何万もするような最新の空気清浄機付きの加湿器があるので不要ではあるのだが、つい、その可愛らしさに、浅緋は足を止めてしまった。
「アヒルです……」
「アヒルだな。しかも頭から湯気が出てる……」
片倉が真面目な顔でそんなことを言うので、浅緋は笑ってしまった。
「本当。なんで頭なんでしょうね? 可愛いけれども」
「欲しいの?」
「いいえ。あのお部屋には合いませんもの。でも、可愛いわ」
「あ、あのコーヒーメーカー面白いな」
「本当だわ。すごくおしゃれですね。あ……そうだわ。見たいものがありました」
「何?」
「エプロンとランチョンマットの予備が欲しいなって思っていて」
「それは買おう」
浅緋のエプロン姿など見たいに決まっているからだ。
2人でいくつか見ていて、最終的に花柄のものとパステルカラーの大きなシャボン柄のもので、浅緋は迷っていた。
雑貨屋の店頭では可愛らしい加湿器がたくさん並んでいる。
片倉の家にはスタイリッシュで何万もするような最新の空気清浄機付きの加湿器があるので不要ではあるのだが、つい、その可愛らしさに、浅緋は足を止めてしまった。
「アヒルです……」
「アヒルだな。しかも頭から湯気が出てる……」
片倉が真面目な顔でそんなことを言うので、浅緋は笑ってしまった。
「本当。なんで頭なんでしょうね? 可愛いけれども」
「欲しいの?」
「いいえ。あのお部屋には合いませんもの。でも、可愛いわ」
「あ、あのコーヒーメーカー面白いな」
「本当だわ。すごくおしゃれですね。あ……そうだわ。見たいものがありました」
「何?」
「エプロンとランチョンマットの予備が欲しいなって思っていて」
「それは買おう」
浅緋のエプロン姿など見たいに決まっているからだ。
2人でいくつか見ていて、最終的に花柄のものとパステルカラーの大きなシャボン柄のもので、浅緋は迷っていた。