政略結婚かと思ったら溺愛婚でした。
他の役員も時折発言している様子なのが見てとれた。
とてもスマートなスーツ姿と真剣な表情、片倉が槙野に向かって何か言うと、役員が必死で頷いて中にはメモをとっている人もいた。
すごい……と浅緋は見とれてしまう。
あんな風に誰にも物怖じせず、指導力を発揮しているのが浅緋の婚約者なのだ。
浅緋はいつまでも見とれてしまいそうな片倉の姿から目を離して、手元の仕事を進めていく。
「浅緋、大丈夫? 槙野にいじめられてない?」
笑いを含んだ声で声をかけられて、浅緋はびくん、としてしまった。
先程までの厳しい顔とは違う、いつもの片倉だ。
おい!だれがいじめて……とか言う槙野を片倉は全く無視して、「いじめられたらいつでも言うんだよ」と笑っている。
つい、浅緋もくすりと笑ってしまった。
「慎也さん、槙野さんはいじめたりしませんよ?」
先ほどまでの緊迫した雰囲気はどこに行ったのかというくらい、2人の間に流れる空気は柔らかい。
社内の人たちは槙野も含め、浅緋と片倉が一緒にいるところは見たことがなかったのだ。
とてもスマートなスーツ姿と真剣な表情、片倉が槙野に向かって何か言うと、役員が必死で頷いて中にはメモをとっている人もいた。
すごい……と浅緋は見とれてしまう。
あんな風に誰にも物怖じせず、指導力を発揮しているのが浅緋の婚約者なのだ。
浅緋はいつまでも見とれてしまいそうな片倉の姿から目を離して、手元の仕事を進めていく。
「浅緋、大丈夫? 槙野にいじめられてない?」
笑いを含んだ声で声をかけられて、浅緋はびくん、としてしまった。
先程までの厳しい顔とは違う、いつもの片倉だ。
おい!だれがいじめて……とか言う槙野を片倉は全く無視して、「いじめられたらいつでも言うんだよ」と笑っている。
つい、浅緋もくすりと笑ってしまった。
「慎也さん、槙野さんはいじめたりしませんよ?」
先ほどまでの緊迫した雰囲気はどこに行ったのかというくらい、2人の間に流れる空気は柔らかい。
社内の人たちは槙野も含め、浅緋と片倉が一緒にいるところは見たことがなかったのだ。