政略結婚かと思ったら溺愛婚でした。
 指の動きとぐちゅぐちゅいうその音と、敏感なところを舌で愛撫されるその感覚で堪えきれない熱が下腹部に溜まってゆくのがわかる。

 何かに手が届きそうな、そこに行きたいような。

「イって……?」
 浅緋の様子をつぶさに見ていた、片倉がそう言った。

 繋いでくれているその手がきゅっと握られる。
 浅緋も強く握り返した。

 というか、もうぎゅうっと握っていないと我慢できないのだ。

「イくとき、教えて? 浅緋……」
 敏感なところに息がかかる。

「っや、そんなところで、しゃべっちゃ、ダメです……」
 くすりと笑った片倉はゆるりとその舌での愛撫を再開した。

「っあ……」
 高みに到達した浅緋の足が、シーツを乱した。
 片倉がゆっくりと浅緋の中から指をぬく。

「んっ……」
 いったばかりの身体には、指を抜かれるだけでも充分な刺激だった。

 満足気な表情の片倉が浅緋の内腿にキスをする。
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