政略結婚かと思ったら溺愛婚でした。
 今度は浅緋のその場所は片倉の指をするりと簡単に呑み込んだ。
「んっ、あ……」

 先程は2本入るのもやっとだったけれど、今は大丈夫そうだ。
 片倉はぱさっと浅緋と自分に布団をかけた。

「見えたら、怖くなっちゃうかもだろう?」
「あ……」

 こういうところに、きゅんとしてしまう。
 布団の中はとても閉ざされた空間のように感じて、先程はあらぬところまで見られていたその不安が、今はなかった。

「浅緋を不安な気持ちにさせたくない。本当は繋がっているところも見たいけれど、今じゃなくてもいい。これからたくさんしてくれる? 浅緋……」

 こんなに大事にされている。それに……嫌ではない気がする。
「はい……」

 とても小さな声になってしまったけれど、浅緋はそう返事をした。

 片倉は浅緋の様子を見ながらゆっくり身体を進めてくれた。それでも浅緋にはつらい。

「大丈夫? つらいな?」
「んっ……でも、止めないで……」
「今、半分くらいかな」
「は、半分……ですか?」
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