政略結婚かと思ったら溺愛婚でした。
18.桜花会
“桜華会をやることにしました“
 そう浅緋から聞いて、その招待客リストを見た片倉は目を疑った。

「え……、この方々がいらっしゃるの? 浅緋」
 安定の膝の上である。

 そこで浅緋から渡されたリストを片倉は確認していた。

「はい。昔からの父の友人の方々なので。それによくよく去年の資料を確認したら、今年が桜華会の30周年だったんですよねえ」
「そんなに続いているんですね」

「私が生まれる前から、と聞いています」
「……であれば、こういうこともありうるのか……」

 それはいわゆる経済界の重鎮、と呼ばれる人ばかりなのだ。

 大企業の重役、会長、オーナー、いずれも名前を聞けば、ああ、と分かるような企業の先達ばかりなのである。

「お母様とは今回で最後にしましょう、と話しています。以前、慎也さんが言ってくださったみたいに今回は偲ぶ気持ちで、と考えています」

「そうか……。もったいないような気もするが」
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