政略結婚かと思ったら溺愛婚でした。
「着物にしませんか? 僕が浅緋の和装を見たいし、振袖も今後着にくくなってしまうでしょう?」
そう言って意味ありげに片倉は浅緋の方を見る。
未婚の時期だけのそれは、自分と結婚したらもう着られないよね?の意図で。
「確かに。それはそうですね」
自然にそんな回答をする浅緋に片倉が胸を撃ち抜かれているのは、多分理解されていない。
「着物は僕に用意させてくださいね」
「え? でもたった1回のためだけに?」
「お披露目も兼ねているのに、当然だよね。明日は着物を見に行こう。あ、ちょっと待って、外商に連絡しておく」
明らかな時間外だと思うのだが、片倉はさっさと電話してしまった。
「明日持ってくるって言うんだけど、デパートまで行くといったよ。予定は大丈夫?」
「ええ」
明日は休日で特に予定はなかった。
「本当は織りも染めも意匠もフルオーダーで用意したかったけれど仕方ない。結婚式のときはフルオーダーで用意しようね」
幾らかかるか、想像するだけでも恐ろしいけれど、浅緋の婚約者はそれが出来てしまう人なのだ。
けれど、片倉は機嫌良さげにわくわくしているし、浅緋も着物自体は嫌いではない。
そう言って意味ありげに片倉は浅緋の方を見る。
未婚の時期だけのそれは、自分と結婚したらもう着られないよね?の意図で。
「確かに。それはそうですね」
自然にそんな回答をする浅緋に片倉が胸を撃ち抜かれているのは、多分理解されていない。
「着物は僕に用意させてくださいね」
「え? でもたった1回のためだけに?」
「お披露目も兼ねているのに、当然だよね。明日は着物を見に行こう。あ、ちょっと待って、外商に連絡しておく」
明らかな時間外だと思うのだが、片倉はさっさと電話してしまった。
「明日持ってくるって言うんだけど、デパートまで行くといったよ。予定は大丈夫?」
「ええ」
明日は休日で特に予定はなかった。
「本当は織りも染めも意匠もフルオーダーで用意したかったけれど仕方ない。結婚式のときはフルオーダーで用意しようね」
幾らかかるか、想像するだけでも恐ろしいけれど、浅緋の婚約者はそれが出来てしまう人なのだ。
けれど、片倉は機嫌良さげにわくわくしているし、浅緋も着物自体は嫌いではない。