政略結婚かと思ったら溺愛婚でした。
「はい」
「浅緋がどう思っているかは分かりませんけれど、私は確かに大事にされていましたし、私も園村をとても大切に思っていました。間違いなく幸せでした。浅緋のこと、くれぐれもよろしくお願いいたします」
 そうして奥さんは深く腰を折ったのだ。

 胸がぐっと熱くなった。
 その時片倉は、強く浅緋を大事にして幸せにしたい、と思ったのだ。


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