政略結婚かと思ったら溺愛婚でした。
7.浅緋の泣く場所
なぜ、こういう時に限っていろいろと問題が起きるのか?
浅緋と食事を約束していた日、夕方になって片倉の対応を必要とする事案が発生した。
「それ、槙野の方で対応できないのか?」
『できなくはないけど、先方はお前での対応をご希望なんだな』
プライドの問題で人を振り回すような輩は、本当は片倉は嫌いだ。
適材を適所に配置している自信はあるし、基本上に判断を仰いでいるような時点で対応に遅れが出るようなことが嫌で、余程のことがない限りは現場判断を尊重している。
しかし、今回はその現場判断で片倉に対応してほしいという希望なのだし、その槙野の判断を片倉は信用している。
軽くため息をついて
「30分だ。30分で終わらせる」
そう電話の向こうの槙野に伝えた。
『了解』
端的にそう言って、槙野は電話を切った。
そのまま、片倉は受話器を取り上げる。
本当は今日、片倉は浅緋を迎えに行こうと思っていたのだ。
連絡した先は、片倉の車をいつも運転してくれている渡辺だ。
彼ならば人当りもいいし、人見知りする浅緋でも安心して乗れるだろう。
案の定、彼は気分よく引受けてくれた。
浅緋と食事を約束していた日、夕方になって片倉の対応を必要とする事案が発生した。
「それ、槙野の方で対応できないのか?」
『できなくはないけど、先方はお前での対応をご希望なんだな』
プライドの問題で人を振り回すような輩は、本当は片倉は嫌いだ。
適材を適所に配置している自信はあるし、基本上に判断を仰いでいるような時点で対応に遅れが出るようなことが嫌で、余程のことがない限りは現場判断を尊重している。
しかし、今回はその現場判断で片倉に対応してほしいという希望なのだし、その槙野の判断を片倉は信用している。
軽くため息をついて
「30分だ。30分で終わらせる」
そう電話の向こうの槙野に伝えた。
『了解』
端的にそう言って、槙野は電話を切った。
そのまま、片倉は受話器を取り上げる。
本当は今日、片倉は浅緋を迎えに行こうと思っていたのだ。
連絡した先は、片倉の車をいつも運転してくれている渡辺だ。
彼ならば人当りもいいし、人見知りする浅緋でも安心して乗れるだろう。
案の定、彼は気分よく引受けてくれた。