僕惚れ③『家族が増えました』
 晩生(おくて)なのかと思いきや、時折こんな風に大胆で貪欲(どんよく)になる葵咲(きさき)が、理人(りひと)は好きだった。

 葵咲の願いを叶えて彼女の舌と自分の舌をすり合わせるように絡めながら、理人は下腹部ではスキンをしっかりと被せ終わっていた。もちろん、葵咲同様理人も一糸纏(いっしまと)わぬ姿だ。

 理人は葵咲の(あし)の間を割るように身体を移動させると、葵咲の膝裏(ひざうら)を抱え上げる。

 キスに恍惚(こうこつ)となっていたところへ、いきなり足を広げ上げられて、葵咲は驚いて理人から唇を離すと「理、人……?」と問いかけて下腹部の方を見た。

 しかし理人は彼女の意識が下腹部(そこ)へいくのを許さず、葵咲の(あご)(とら)えてもう一度唇を強引に(ふさ)ぐと、それに合わせたように屹立(きつりつ)を葵咲の入り口にあてがった。

 トロトロに(ほぐ)されて(ぬる)んだ葵咲(きさき)のそこは、ほんの少し力を加えてねじ込めば容易に理人(りひと)の大きくそそり立ったものをくわえ込むことが出来そうだった。

 理人は自身の先端を葵咲の中心に当てがってそのことを確認すると、待ちきれないように一気に(つらぬ)く。

「んんっ、……!」

 途端、理人に唇を塞がれたまま、葵咲がびくりと身体を強張らせるようにのけ()らせて、くぐもった声を漏らした。

 葵咲が呼吸をしたそうに身動(みじろ)ぐので、理人は彼女の舌先を吸い上げるようにして唇を解放してあげる。
< 11 / 89 >

この作品をシェア

pagetop