僕惚れ③『家族が増えました』
 そうしておいて、自分も身体を起こすと、葵咲(きさき)の両足をしっかりと掴んで彼女の秘所に腰を激しく打ち付けた。

 ギリギリまで引き抜かれては、グッと深く理人(りひと)が入り込んでくるたびに、葵咲があられもない声を上げるのが堪らなく煽情的(せんじょうてき)で。

「葵咲……っ!」

 気が付けば、理人も切なく葵咲の名を呼びながら、彼女を揺さぶり続けていた。

 そんな理人に、葵咲が切なげに両手を伸ばしてくる。

 それは、ギュッと抱きしめて欲しいときの彼女からの合図だった。

 理人は抱え上げていた葵咲の両膝から手を離すと、葵咲を自らの上に抱き上げる。

「あ、んっ」

 理人と離れないまま彼の上に座り込む形になった葵咲が、自重で繋がりが深くなってしまったためか、ギュッと眉根を寄せる。

「苦しい?」
 問えば、首を振って、
「理人が、奥まで……き、てる、の……っ」

 理人にしがみつきながら、葵咲が堪らないようにそう吐息を漏らす。

 その声に、理人はますます(あお)られて、彼女の中でさらに一層硬さを増してしまう。

「葵咲、お願いっ。あまり締め付けない、でっ。――持たなく、なるっ」

 今にも葵咲の中で欲望を吐き出してしまいそうで……理人はさすがにまだ早すぎるだろう、と踏みとどまった。

 なのにそんな理人に、葵咲は「イッていい、よ? 理人が感じてるのを実感するの、私、大好き、なの……」と耳元で(ささや)いてきた。

 その声と同時に、葵咲の中が、まるで理人の欲望を(しぼ)り取るみたいに(うごめ)いて、ギュッと()まる。
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