僕惚れ③『家族が増えました』
「理人、違うの……。話、聞いて?」
葵咲は不安そうな理人の手を引くと、玄関先からリビングへ向かう。
リビングには、例の段ボール箱が置いてあって。
「まずは……あの中……見てもらっても……いい、かな?」
箱を指差しながら、上目遣いに理人を見つめると、理人が怪訝そうな顔をしたのが分かった。
「お、怒らないで……ね?」
理人が段ボール箱の中を覗いて、目を見開いたのが見て取れて……。その後ろ姿を眺めがら、自分でも分かるぐらい手が震えているのが分った。葵咲はゴクンと生唾を飲み込む。
理人が無言で段ボールの前に片膝をつくのを見守りながら、葵咲はノロノロとその背後に近づいた。
「あ、あのね……お隣さんがねっ、すごく困ってらして……それでねっ」
理人が何も言ってくれないのが怖くて、一人言い訳がましく色々言葉を重ねてしまってから、葵咲は固まったように箱の中を見つめる理人の横に恐る恐るしゃがみ込んで、彼の横顔を窺い見た。
そうして、思わず息を呑んだ――。
「理、人……?」
葵咲は不安そうな理人の手を引くと、玄関先からリビングへ向かう。
リビングには、例の段ボール箱が置いてあって。
「まずは……あの中……見てもらっても……いい、かな?」
箱を指差しながら、上目遣いに理人を見つめると、理人が怪訝そうな顔をしたのが分かった。
「お、怒らないで……ね?」
理人が段ボール箱の中を覗いて、目を見開いたのが見て取れて……。その後ろ姿を眺めがら、自分でも分かるぐらい手が震えているのが分った。葵咲はゴクンと生唾を飲み込む。
理人が無言で段ボールの前に片膝をつくのを見守りながら、葵咲はノロノロとその背後に近づいた。
「あ、あのね……お隣さんがねっ、すごく困ってらして……それでねっ」
理人が何も言ってくれないのが怖くて、一人言い訳がましく色々言葉を重ねてしまってから、葵咲は固まったように箱の中を見つめる理人の横に恐る恐るしゃがみ込んで、彼の横顔を窺い見た。
そうして、思わず息を呑んだ――。
「理、人……?」