僕惚れ③『家族が増えました』
名前の由来
「はい」
葵咲がインターフォンに応じると、画面に逸樹と直人が映し出された。
理人が子猫を抱いたまま、葵咲の背後に来て、「お隣さん?」と画面を覗く。
『山端と……』
『三木です。夜分にすみません』
逸樹がぶっきら棒に名乗りをあげたのを遮るように、直人が口を開いた。
『猫、どうなったかな?って思って』
そこまで聞いた葵咲が、おもむろに理人を振り返った。
「その子を拾ってくださった方たち。……あの、お通ししても、いい?」
聞けば、理人は一瞬眉根を寄せたのち、「いいよ」と言った。
葵咲は、理人のその表情の変化に気づかなかったのか、にこやかに微笑むと、玄関へ走って行ってしまう。
その背中を見つめながら、理人は小さく溜め息をつく。
「僕がいない間に他の男と親しくなるとか、お仕置きものだな……」
呟かれた言葉に、理人の腕の中の子猫がニャーン、と合いの手を入れる。
理人は、子猫の頭を優しく撫でた。
葵咲がインターフォンに応じると、画面に逸樹と直人が映し出された。
理人が子猫を抱いたまま、葵咲の背後に来て、「お隣さん?」と画面を覗く。
『山端と……』
『三木です。夜分にすみません』
逸樹がぶっきら棒に名乗りをあげたのを遮るように、直人が口を開いた。
『猫、どうなったかな?って思って』
そこまで聞いた葵咲が、おもむろに理人を振り返った。
「その子を拾ってくださった方たち。……あの、お通ししても、いい?」
聞けば、理人は一瞬眉根を寄せたのち、「いいよ」と言った。
葵咲は、理人のその表情の変化に気づかなかったのか、にこやかに微笑むと、玄関へ走って行ってしまう。
その背中を見つめながら、理人は小さく溜め息をつく。
「僕がいない間に他の男と親しくなるとか、お仕置きものだな……」
呟かれた言葉に、理人の腕の中の子猫がニャーン、と合いの手を入れる。
理人は、子猫の頭を優しく撫でた。