僕惚れ③『家族が増えました』
「おはようございます。三木さん、本当、ここにお勤めだったんですね」
たまたま見かけたかのように二人に近付いて挨拶すると、直人がすぐに気付いて「おはようございます、池本さん」と微笑み掛けてきた。
理人は不機嫌そうに直人の横で自分を睨みつける逸樹を無視すると、直人に話しかける。
「今からセレ、えっと……子猫を病院に連れて行こうと思ってまして」
言えば「あ、そうなんですね。ほんと、いい方に引き取って貰えてよかったです。ありがとうございます」と直人が頭を下げてくれる。この、人の良さそうな彼を、自分の目的のためだけに利用するのは少し気が引けたが、まぁ仕方ない。
理人は腹をくくって言葉を続けた。
「それで……これもご縁ですし、もし良かったら時々猫の様子をお知らせしたいなって思うんですけど……連絡先とかお聞きしても?」
言いながら携帯を取り出すと、直人はもちろんです、と言ってすぐに番号を教えてくれた。
理人の不敵な笑みに気がついたのか、逸樹が慌てたように「オイ、直人っ」と声をかけたけれど、もう遅い。
理人は直人の連絡先をまんまとゲットした後だ。
たまたま見かけたかのように二人に近付いて挨拶すると、直人がすぐに気付いて「おはようございます、池本さん」と微笑み掛けてきた。
理人は不機嫌そうに直人の横で自分を睨みつける逸樹を無視すると、直人に話しかける。
「今からセレ、えっと……子猫を病院に連れて行こうと思ってまして」
言えば「あ、そうなんですね。ほんと、いい方に引き取って貰えてよかったです。ありがとうございます」と直人が頭を下げてくれる。この、人の良さそうな彼を、自分の目的のためだけに利用するのは少し気が引けたが、まぁ仕方ない。
理人は腹をくくって言葉を続けた。
「それで……これもご縁ですし、もし良かったら時々猫の様子をお知らせしたいなって思うんですけど……連絡先とかお聞きしても?」
言いながら携帯を取り出すと、直人はもちろんです、と言ってすぐに番号を教えてくれた。
理人の不敵な笑みに気がついたのか、逸樹が慌てたように「オイ、直人っ」と声をかけたけれど、もう遅い。
理人は直人の連絡先をまんまとゲットした後だ。