僕惚れ③『家族が増えました』
理人は葵咲の頭をぽんぽんと優しく撫でると、「良かった」とつぶやいて、意図して彼女からほんの少し距離をあける。
「そうそう。今日ね、キミを送ったあとにセレを病院に連れて行ってきたよ」
何でもないことのように話題を変えると、病院であったことを葵咲に話す。話しながらセレはどこだろう?と思ったら、どうもリビングにはいなくて。
「葵咲、セレは?」
聞けば、困ったような顔をして寝室のほうを指差す。葵咲の視線を追って寝室のほうを見ると、扉にほんの少し隙間が開いていて。
「え? あっち?」
再度確認のために問いかけると、葵咲が困惑した様子で小さく頷く。
「あのっ、寝室はダメかな?って思ったんだけど……あんまりにも入りたそうにするから……。ご、ごめんなさい」
葵咲が謝るのへ、「いや、別にいいんだけどね」と言いながらそちらへ足を向ける。
セレも家族なのだから、家の中、どこへ行こうが構わないと思っている。それに。
セレが寝室で寝てくれているならば、今夜は葵咲ちゃんに酷いことをしないで済むかな、とか思ってしまったのも事実で。
さすがの理人も、セレの前で葵咲を抱けるほど図太くない。……というか。
(セレにも葵咲ちゃんの裸見せたくないし!)
というのが本音。
「そうそう。今日ね、キミを送ったあとにセレを病院に連れて行ってきたよ」
何でもないことのように話題を変えると、病院であったことを葵咲に話す。話しながらセレはどこだろう?と思ったら、どうもリビングにはいなくて。
「葵咲、セレは?」
聞けば、困ったような顔をして寝室のほうを指差す。葵咲の視線を追って寝室のほうを見ると、扉にほんの少し隙間が開いていて。
「え? あっち?」
再度確認のために問いかけると、葵咲が困惑した様子で小さく頷く。
「あのっ、寝室はダメかな?って思ったんだけど……あんまりにも入りたそうにするから……。ご、ごめんなさい」
葵咲が謝るのへ、「いや、別にいいんだけどね」と言いながらそちらへ足を向ける。
セレも家族なのだから、家の中、どこへ行こうが構わないと思っている。それに。
セレが寝室で寝てくれているならば、今夜は葵咲ちゃんに酷いことをしないで済むかな、とか思ってしまったのも事実で。
さすがの理人も、セレの前で葵咲を抱けるほど図太くない。……というか。
(セレにも葵咲ちゃんの裸見せたくないし!)
というのが本音。