僕惚れ③『家族が増えました』
葵咲(きさき)、キミは本当に可愛いね。僕は葵咲になら僕の全てを吸い尽くされても構わないと思ってるよ」

 言って、理人(りひと)は葵咲に見えるように(おのれ)のスラックスに手を伸ばすと、ベルトを外して、ズボンの留め具を緩めると、わざと焦らすようにゆっくりとファスナーを下ろす。

 布越しでも理人のそこが固く張り詰めていることは容易に(うかが)い知ることが出来た。前を(くつろ)げて、苦しげに押さえつけられていたモノを掴み出して開放してやれば、理人がどんなに彼女を求めているかが、葵咲にも分かるだろう。

 理人が握り込んだ屹立(きつりつ)を見て、葵咲が息を飲んだのが分かった。

 その様を、理人に見下ろされるようにして見られていることに気が付いたと同時に恥ずかしそうに視線を外すのも、この上なく愛しい。

 葵咲は、自分が何度コレに(つらぬ)かれたか、分かっているんだろうか?

 今更そんなに恥じらって、目を()らすこともあるまいに。

 理人はそこまで考えてから、(もっと)も自分は葵咲のそういうスレない初々(ういうい)しさに惹かれているのだと思い至って苦笑する。

 恥ずかしがってくれるからこそ、(いじ)甲斐(がい)もあろうというもの。

葵咲(きさき)……」
 自身の(たかぶ)りを握り込んでゆっくりと上下させながら、葵咲の耳に切なげな吐息を吹き込む。

理人(りひと)……口で、する?」

 そんな理人にも、葵咲が恐る恐る問いかけてきたこの言葉は想定外で。
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