魔法の恋の行方・ドラゴンのヘタレ純愛・シリーズ6(グラゴールとエリィ)
「そう、私、花が好き!
だから・・神様の花を描くわ」

エリィは急いでカップを横に置いて、紙を広げた。

「まず、安産の女神さま・・
アディダ・ミヌ・レノーラ・・
お花は何がいいかしら。」

エリィは唇を尖らせて、少し考えていたが
紙に、藤の花に似た小花が房になる花をすぐに書き上げた。

花の絵の下に、
安産・アディダ・ミヌ・レノーラと記入した。

「たくさんの小さい花は、
子どもたちね。
房にしたのは、子どもがするっと
生まれてくるように」
そう言いながら、
その紙をピンで壁に止めた。

グラゴールは、
楽し気にしゃべるエリィを
ずっと見ていた。

ああ、なんて楽しいのだろう。

エリィはクルクル表情が変わる。
それを間近に見ているだけで、
甘い気持ちになる。

グラゴールは、その余韻に浸っていた。

カーーーン・・カーーーン

エリィが、
数枚の絵を描き上げた所で、
鐘楼(しょうろう)から鐘の音が
響いた。


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