魔法の恋の行方・ドラゴンのヘタレ純愛・シリーズ6(グラゴールとエリィ)
「知り合いのエルフに、神殿に連絡しに行かせますだ。
旦那様が、
病気で倒れていたエルフの娘を
見つけて、こちらで預かっている
と言えばいいですだ。
銀貨1枚くらい握らせておけば、
時間稼ぎにはなるだ」
グレーズは、
珍しく長文でしゃべった。

「ああ、頼む、すぐに行ってくれ」
グラゴールは少しほっとしたように、グレーズを見た。
グレーズは自分の顎髭を、自慢げになでた。

「馬を準備しますだ。
神殿に知っている奴がいるか、
エルフたちが集まる居酒屋で
聞いてきやしょう」
そう言って
グレーズは外套をひっかけて、
台所を出て行った。

「頼むよ。グレーズ!!」
アンナが声をかけた。

「すぐ、寝室の準備をしましょう」
アンナは、
エルフをしっかり抱きしめている、グラゴールの肩を叩いた。

それから
暖炉の火で熱くなっている石を、
バスケットに入れると、急いで出て行った。

アンナが台所に戻ってきた時、
グラゴールは、まだ同じ姿勢で
エルフを抱いていた。
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