魔法の恋の行方・ドラゴンのヘタレ純愛・シリーズ6(グラゴールとエリィ)

誘拐事件・ドラゴンの館・その2・27~30

<グラゴールの館・翌朝5時・その4>

アンナは
客間の扉を小さくノックした。
返答はない。

静かに開けると、
グラゴールは上半身だけ、ベッドにうつぶせになるように眠っていた。

その手は、
エリィの手に触れるように
置かれていた。
アンナは静かに肩を叩いた。

「う・・ん」
横向きの顔、赤い瞳が少し開いた。
「お疲れでしょうから、
交代します。」
アンナは、グラゴールの耳元で
小さな声で言った。

ようやっとグラゴールは体を起こし、エリィの顔を見た。
「大丈夫かな・・」

「ええ、よくお休みになられています」
「そうだな・・」

グラゴールは立ち上がると、
毛布をつかんで、よろよろと寝室を後にした。

アンナは少しカーテンを開けて、
朝の日差しがまぶしくないように
調整をしてから、椅子に座った。

30分ほどして、
エリィは目を薄く開けた。
体を動かそうとしたが、とても重い。

「お嬢様・・
御気分はいかがですか」

「あ・・・・」

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