魔法の恋の行方・ドラゴンのヘタレ純愛・シリーズ6(グラゴールとエリィ)
<エリィの夕食・その3>

エリィはクリーム色のドレスを
着て、食堂の扉を開けた。

この館は広いのに、閑散としている。人の気配が本当にない。

食堂は10人ほどが座れる大きな部屋だったが、
テーブルの上には、カトラリーが
一つしかセッティングされていなかった。

「これは、これは・・エリィ様
ですね」
小柄な中年の男が
ナプキンを手に、壁際のつい立てからでてきて頭を下げた。

「アンナの亭主です。
グレーズといいますだ」

「こんばんは、お世話になります」
エリィが
少し緊張ぎみに挨拶をした。

「さ、どうぞお座りください。
スープをすぐにおもちしますだ」

「ありがとうございます」
エリィは
グレーズが椅子を引いてくれたので、着席した。

エリィは周囲を見回しながら
「ここは・・静かなところですね。ここに住んでいるのは」

「へい、グラゴール様と私らだけですだ。
グラゴール様は、
いろいろな所に視察に行かれるので、ほとんどいないですだ」

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