魔法の恋の行方・ドラゴンのヘタレ純愛・シリーズ6(グラゴールとエリィ)
<エリィの彼氏の件・その2>

アンナはスープを一口飲み、
味を確認してから
エリィの顔を見て微笑んだ。

「エリィ様は
神殿の神官なのですか?」

「いいえ、まだ・・見習いです」
「なぜ、神官を
希望されたのですか・」

エリィは少し口ごもって
「私の家は
神官の家系なのですけど、
本当は・・
姉が神官になるはずでした。
でも急に結婚が決まってしまったので、私にまわってきたのです。
妹はまだ小さいので」

アンナは核心にせまった。
何食わぬ顔で。
「でも、エリィ様も、
お付き合いされている殿方が
いらしたのではないですか?」

アンナはエルフ事情にも
詳しかった。
エルフの女は、遊びたがりのはずだ。
恋愛ゲームも大好物のはず。

衝立の後ろで、
グラゴールは口を押えた。
心臓が飛び出てきそうだったからだ。

エリィは
目を伏せて、うなずいた。
「私・・好きな人がいて・・」

ああ・・やっぱりそうなのか
その言葉に、
グラゴールはがっくりと頭を垂れた。

「その人はエルフの中での、
一番かっこよくて、女の子にも
人気があって
一緒に遊んだり、しゃべったりして・・
いい感じだなぁと思っていたのですよ・・」

グラゴールは息を吐いて、
手を額にやり壁にもたれかかった。
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