初恋グラフィティ
どこかでお昼を食べようという話になり、車を降りて並んで街を歩いていたとき。
ユキちゃんがぼそっとつぶやいた。
「ごめんな…」
「え…?」
「志保、せっかくお洒落してるのに、一緒にいる俺がこんな格好でさ…。志保に恥ずかしい思いさせちゃってるよな…?」
私はとっさに彼を見上げた。
「そんなことないよ…!ユキちゃんはユキちゃんに変わりないわけだし、全然カッコいいよ…!」
ユキちゃんは力説する私を不思議そうに見ている。
「そう…?」
「そう…!」
とりあえずそう言ったけど、
何かすごく恥ずかしいことを言ってしまった気がして、顔が熱くなっていくのが自分でもよくわかった。
私は思い切って自分の腕をユキちゃんのそれに絡ませ、そこにほてった顔を隠してみた。